華麗なる藻一族

シルシル☆モモコサンデー

藻ファンの皆さま、こんにちは! 同じく藻ファンの山咲桃子でございます。
前回は日本を代表する藻類研究家、筑波大学井上勲教授に、地球と藻類の奥深い関係、そして、世界のエネルギー、環境問題に藻類が関わっているという、壮大なお話を伺いました。

今回も、引き続き井上教授にご登場いただき、食用藻とアートな藻の世界をお届けします♪

昆布やワカメなど、食用としての藻はわかるけど……、どうして藻がアートと関わりあるの?と、首を傾げるみなさま! あっと驚くアートをご紹介しますよ~~☆

食用藻では、太古の藻塩、日本の神事にかかわる藻類、万葉集に登場する藻類、なんと、坂本龍馬ブームで一躍脚光浴びた明治維新の薩摩藩にも藻類の影響があった!?


「日本の歴史を動かした食用藻!?近代日本は藻で作られた?」


井上 勲 教授

井上 勲(いのうえ いさお)
藻類学者。沖縄県石垣島出身
筑波大学教授。日本藻類学会評議員
専門は藻類学および植物系統分類学

【著書】
『藻類30億年の自然史・第2版藻類からみる生物進化・地球・環境』
(東海大学出版会刊・2007年)

山咲 「前回は、地球規模の藻類のお話しを伺いましたが、今回はぐっと身近に、食用としての藻のお話しを伺います」
井上教授 「日本人は、食べられる藻類はほとんど食べていると思いますね。毒を出さないものなら、みんなラーメンに入れることが出来ますよ(笑い)」
山咲 「あははは~、“藻麺”のように……」
(この時、井上教授におみやげとしてスピルリナの“藻麺”を持参)
井上教授 「日本は世界一の海藻消費国だから、欧米諸国に比べて親近感は強いですね。日本人が食用としている海藻は50数種類あり、日本各地に特有の海藻食品や調理方法があります」
山咲 「先生は、食用の藻類では何がお好きですか?」
井上教授

「私は寒天ですね。醤油系でさっぱりいただくのが好きです。学生達と、ところてんを作って食べたりしますよ」

山咲 「日本では、どれくらい前から藻類を食べていたのですか?」
井上教授 「古くは古墳時代に“藻塩”として藻類が登場しました。藻塩は、海藻成分が豊富に含まれた塩ですが、現在、ブームとなり食卓で活躍しているようですね」
山咲 「私も藻塩は料理に使っています」
井上教授 「藻塩作りは神事として日本各地で行われており、万葉集にも藻塩の歌があります。ところが文献が残っていないため、確かな製塩の方法の記録がありません。藻塩焼神事が伝わる宮城県の塩竃神社の分社である御釜神社で行っている神事では、藻塩作りに使われたという海藻、ホンダワラを使いますが、焼かないで取り除いてしまいます。製塩に使ったとされる出土した釜には焼き跡が見つかっており、藻塩作りには、ホンダワラを焼く作業が含まれていたと考えられているのです」
山咲 「現在市場に出ている藻塩は、ホンダワラ、またはその他の海藻を干した後、焼いて、かん水とまぜて結晶にするそうなので、古代のやり方に近いのではないでしょうか?」
井上教授 「実は、藻塩のカリスマといわれる人物がいて、藻塩の製法を明らかにしたのです。現在は“藻塩の会”代表で、考古学者の松浦宣秀さんという人です。古墳時代の製塩土器を発掘したことをきっかけに、10年の歳月をかけて藻塩の製法を確立しました。その製塩法には、確かにホンダワラを焼いていましたよ」
山咲 「藻塩の製法は奥が深そうですね。改めて取材したいと思います。ところで、ホンダワラってどういう藻なんですか?」
井上教授 「万葉集にたびたび登場する、日本史ではおなじみの“玉藻”です。“玉”はホンダワラの体から出ている丸い気胞を示しているようです。今でもしめ飾りやお供えにホンダワラを使っていますから、神事とは深い関係がありますね」
山咲 「他にも神事に使われた藻はありますか?」
井上教授 「家庭でおなじみのワカメです。“和布刈(めかり)神事”といって、北九州市の和布刈神社に残されている儀式があります。ワカメを刈り取り元日の神前に供える儀式で、旧暦大みそかの夜半、干潮時行われます。太陽暦でいう2月の初旬ですね。4世紀、神功天皇が三韓征伐の凱旋を祝して、ワカメを神前にささげたことから由来しています」


ワカメは神事に使われてきた

山咲 「海藻は神に奉納するものだったんですね!!」
井上教授 「ワカメもすごいですが、昆布は歴史を動かしたんですよ」
山咲 「こ、昆布がですか……??」
井上教授 「昆布は北海道にいた和人が7~8世紀ごろから利用していました。その後、北海道から本州に渡った昆布は、日本を縦断し18世紀に九州、そして中国へ渡り、シルクロードならぬ『コンブロード』といえるほど日本の流通の発達と歴史に関係したのです。これは、北海道大学教授の大石圭一先生が『昆布の道』という著書に記しています」
山咲 「コンブロードとは! ぐぐっと庶民的に感じるネーミングですね(笑い)」
井上教授 「ところが笑っていられないほど、コンブロードは重大な日本の歴史に関わっているのです。昆布が明治維新を起こした薩摩藩の原動力になった可能性があるのです」
山咲 「ええええ~~ッ! 昨年大人気を呼んだNHK大河ドラマ『龍馬伝』で注目をあびた薩摩藩! イケメン福山雅治につられて『龍馬伝』をかかさず観ていましたが……」
井上教授 「江戸中期、薩摩藩は偽金まで作り出すほど借金にあえぐ貧乏藩で、琉球王国を通して中国との密貿易に手を染めていました」
山咲 「時代劇に出てくる悪代官のようですね」
井上教授 「九州の雄藩とはいえ悪徳商人そのものでした。その密売の流通経路がまさしく“コンブロード”で、昆布が運ばれていたのです。中国で昆布は、薬草としての需要が大きかったので、薩摩藩は昆布の密売でガッポリ儲けたというわけです。こうして力を蓄えた薩摩藩は、明治維新を実現する主力となったのです」
山咲 「近代日本を作ったのは、もしかして藻類のおかげ?」
井上教授 「結果的には密売で儲けた金が使われましたが、薩摩藩には大きな戦略と志があったと思います」
山咲 「歴史に名を残す(?)藻類ですが、最近では、健康食品やダイエットフードに利用されていますね。スピルリナは食べたことありますか?」
井上教授 「ありますよ。粉のまま食べたら、口の中が緑色になっちゃって……、山盛り食べろ、と言われたら勘弁して欲しいですね(笑い)」
山咲 「見た目は同じような、ユーグレナがありますが……」
井上教授 「スピリナとユーグレナは藻類の中では、まったく違う種類に属します。スピルリナは原核生物といってシアノバクテリアの仲間で細菌に近いものです。ユーグレナは真核生物で、ミドリムシといわれるように、“すじりもじり運動”というおもしろい動きをするんです」
山咲 「ユーグレナは植物か動物か? という論議が行われますが、どちらなのですか?」
井上教授 「藻類の発生経路は実に多様で、ユーグレナにしてみれば、“知ったこっちゃない”でしょうね」
山咲 「はっ……?」
井上教授 「生き物には、動物的な生き方、植物的な生き方、菌類的な生き方と大きく分けて3パターンありますが、ユーグレナは植物的な生き方をしている生物です」
山咲 「詳しく伺うには、ユーグレナだけの回が必要そうですね……。ところで、ユーグレナの動きは面白いですが、他にも、精密なマシンのようにカッコイイ藻や芸術作品のように美しい“美藻”がいますよね?」

芸術作品のように美しい! 華麗なる「美藻」たち

井上教授 「そうですね。写真をご覧になっていただけると分りますが、形状がアートに近い藻がたくさんいますよ」
山咲 「アニメに登場する戦闘マシンのようにカッコイイですね」
井上教授 「藻類は単体でも美しいですが、“桂藻アート”といって、顕微鏡下で桂藻を並べて作り出すアートもあるんです」


顕微鏡下で桂藻を並べて作り出すアート“桂藻アート”

山咲 「うわああ~~♪ 芸術品ですね! 藻ってホントにすばらしいですね」

地球史、生物史、エネルギー、環境、食、アートなどなど、あらゆる角度から私達の生活に関わり、不思議な一面をみせてくれる藻類、そして、まだまだ知られざる部分が多い神秘的な藻類。奥深い藻類世界の扉を開いてくれた井上教授、ありがとうございました☆



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