華麗なる藻一族

シルシル☆モモコサンデー

節電の夏! 日本の夏!
今年の夏は、冷製手打ちパスタをツルツル~ッといただいて涼しくなりたいですね。
えっ!?「手打ち」といったら、そばでしょう!ですって?
手打ちパスタを知らずして、「手打ち」を語るべからず!ですわよ~♪

1980年代後半に到来したイタメシブーム。
日本の食文化として定着したイタメシですが、パスタに関しては未だに、
「粉はデュラムセモリナでないとね~」と誰もが知ったかぶりの意見ばかり。
日本パスタ協会のデータによると、パスタの国内供給量は毎年増え続け、
2010年は27万トン。国内生産量も15万トンを超え、1970年に比べ1.5倍となりました。

今、手打ち生パスタがじわじわと浸透中ですが、生パスタの美味しさをいち早く日本に紹介したのは、イタリアの「パスタの神様」の最後の愛弟子で、「リビエラ 青山」グランシェフ、鈴木康司さん。

そばツウ、ラーメンツウ、麺にうるさい皆様方、手打ち生パスタのゴッドハンド、鈴木シェフのお話と実演を見て、パスタの醍醐味を知ってくださいね♪

「パスタ料理は麺を食べるもの。粉選びがパスタの旨みを左右します」


鈴木 康司シェフ

鈴木 康司 Kouji Suzuki
「リビエラ 青山」グランシェフ。北海道生まれ。
京王プラザホテル札幌入社後、渡欧しパリでフランス料理を学ぶ。
2年後イタリアに渡りイタリア料理を学ぶ。
ロカンダ・デ・ランジェロで「パスタの神様」と称された
アンジェロ・パラクッキ氏の最後の愛弟子となり、スーシェフを務める。
96年 帰国し29歳で、大阪心斎橋の「リストランテ・パラクッキ」
取締役料理長に就任。
01年 表参道の「リストランテ・ヒロ青山本店」の料理長に就任。
06年 「リストランテ・ヒロ・芦屋リゾート」の料理長に就任。
07年2月より「リビエラ 青山」グランシェフ就任。現在に至る。


「リビエラ 青山」


旬の野菜が収穫できる屋上菜園

美味しさを左右する、パスタと小麦粉の奥深いストーリー

山咲 日本では長らく、スパゲティと呼んでいましたが、パスタとスパゲティの違いは何ですか?
鈴木シェフ スパゲティは、パスタの種類の1つなのです。まず、パスタを形で分けるとロングパスタとショートパスタがあります。ロングパスタには、スパゲティよりやや細いスパゲティーニ、そうめんのように細いカペッリーニ、日本のきし麺のようなフェットチーネ、手打ちうどんのようなピーチなど、ショートパスタには、平たい板状のラザニア、布切れのようなストラッチ、詰め物を入れたラビオリ、筒状や貝殻状をした「マカロニ」の仲間のオレキエッテやペンネなど、さまざまな種類があります。

カッペリーニ

スパゲティーニ

ピーチ(ウンブリーチ)

ラビオリ

ストラッチ
鈴木シェフ また製造法で分けると、生パスタと乾燥パスタがあり、私が修行をした北や中部のイタリアでは生パスタはとても一般的なものですが、南イタリアでは乾燥パスタが多く食べられてきました。
山咲 南イタリアで乾燥パスタが多いのはなぜですか?
鈴木シェフ イタリアは南北で文化が違い、労働者が多く暑い南イタリアでは、保存ができ、すぐに食べられる乾麺文化が根付いたのでしょう。
山咲 鈴木シェフは生パスタにこだわっているようですが、生パスタというと、「うどんみたいでビミョ~」というイメージなのですが……、どうしてなのでしょう?
鈴木シェフ 私は生パスタが美味しい店を数件知っていますが、日本には生パスタのお店が少ないせいか、生パスタのおいしさを知らない人が多いと思うのです。粉の選び方、配合、打ち方、ゆで方、すべてにおいて、ベストな状態が引き出されていないのかもしれませんね。私は、生パスタでも機械だけにたよらず作ることにこだわっています。
山咲 手打ちですか! そばみたいですね。
鈴木シェフ 実際は、足も使っていますよ。
山咲 昔ながらのワイン作りみたいですね(笑)。
鈴木シェフ そもそも、パスタ料理って食事のカテゴリー的には何だと思いますか?
山咲 炭水化物とおかずが一緒に食べられる、手軽なカレー感覚?
鈴木シェフ そこが、日本人とイタリア人のパスタに対する感覚のずれですね。パスタ料理は麺を食べるもの。極端にいえば、ソースや具材はなくてもいいんです。
山咲 素うどんならぬ、素パスタ?
鈴木シェフ 麺そのものに旨みがなくてはパスタとは言えません。先ほどの、生パスタですが、麺をおろそかにして、多くの具材でごまかすと、雑味のある印象になってしまうのだと思います。パスタ料理は具が主体ではなく、麺が主体。具はそれを邪魔しない程度でいいんです。私が使う具は、3つ以内のカテゴリーにおさえています。
山咲 そこまで、鈴木シェフが麺にこだわる理由はなんでしょう?
鈴木シェフ パリでフランス料理の修行をしたあと、イタリアに修行に出たことがきっかけですね。イタリアは、どこのお店でパスタを食べてもおいしい。日本のパスタとは根本的に違いました。これは、いったいどうしてだろう? と疑問の追求から始まったのです。最初は北イタリアのピエモンテ州の2つ星レストランで修業をしていましたが、次に、パリでフレンチの修業をしていた時に、イタリア人のおじさんシェフから、「いいよ」とイタリア語で書かれた名刺をいただことがあり(笑)、トスカーナ州とウンブリア州の州境(イタリア中部)にあった彼のお店を訪ねてみました。
山咲 「ウチの店に来て“いいよ”」ってことですか?
鈴木シェフ そう思って軽い気持ちで訪ねたら、なんと、そのおじさんはイタリアでは「パスタの神様」と呼ばれる大御所シェフ、アンジェロ・パラクッキだったんです。
山咲 神様に導かれたんですね。
鈴木シェフ パラクッキは、イカスミや法蓮草、ビーツなどをパスタに練り込むことを、イタリアで初めて行った料理人。今でこそ、当たり前になりましたが、当時は画期的な手法だったのです。
山咲 パラクッキから直々に麺作りを教えてもらったのですね。
鈴木シェフ

そうです。最後の愛弟子といわれています。パラクッキは、5年ほど前に亡くなってしまったので、直々の弟子はイタリア人も含めて私で本当に最後です。 

ところで、手打ち生パスタを作る粉は何がいいと思いますか?
山咲 やはり、デュラムセモリナですか?
鈴木シェフ 日本人は、そう答える人が多いですね。デュラム小麦セモリナ粉は、乾麺には適していると思いますが、私の場合、手打ちの生パスタには使いません。
山咲 どうしてですか?
鈴木シェフ 挽きが粗すぎるんです。あと、グルテンの量が手打ちパスタには向いていません。一般的に生パスタには、デュラム小麦のような硬い品種は使わずに、軟らかい品種の小麦を使いますが、なかでも「ゼロゼロ粉(タイプ00)」という、小麦の胚乳部分だけを挽いた精製度の高い粉を使用します。
手で触るだけで、
粉のグルテン量や挽きの粗さなど
性質がすべてわかるという、
“日本の生パスタの神様”こと
鈴木シェフのゴッドハンド

<パスタのための小麦粉基礎知識>

小麦粉の分類の基準は国によって少々異なるが、パスタの粉を選ぶたに必要な基礎知識をまとめておきましょう。

☆小麦粉を大きく分類すると、その基準となるのは小麦の粒の硬さで、粒が硬い(タンパク質含有量が高い)のが「硬質小麦」、粒がやわらかいもの(タンパク質含有量が低い)が「軟質小麦」、中間程度の硬さの小麦を「中間質小麦」といいます。

☆日本とイタリアでは、小麦粉に対する分類の基準が異なります。
【日本】…分類の基準はグルテン、すなわちタンパク質の含有量。グルテンの少ないものから順に、薄力粉、中力粉、強力粉。
【イタリア】…精製度が分類の基準となり、もっとも高いのがタイプ00(ゼロゼロ粉)で、その次がタイプ0、タイプ1、タイプ2、全粒粉。グルテンの含有量による分類の基準はないので、イタリアの小麦粉を選ぶ際には銘柄ごとの特徴を踏まえることが必要です。

☆【デュラム小麦セモリナ粉】…デュラム小麦はごく硬質で、タンパク質の含有量が高いので乾麺に使われることが多い。セモリナはその中心部を粉に挽いたもの。

山咲 鈴木シェフは、粉へのこだわりが強いのですね。
鈴木シェフ パスタは粉で決まります! 粉選びでパスタの旨みが左右されるといっていいでしょう。私の場合は、中力粉と強力粉を1:1の割合でブレンドしています。いろいろ試してみて、この配合がグルテンの力をベストに引き出せるのです。グルテンが多すぎるとモチモチしすぎてゴムみたいになるし、少ないとブチブチ切れてしまいます。表面がツルッとしてのどごしがよく、適度なモチモチ感があり、コシがある、これが私のパスタです。
山咲 パスタも”コシ”が大切なのですね。
鈴木シェフ 麺に混ぜるものや具材の内容によって国産とイタリア産を使い分けたり、ブレンドして使っています。国産の粉は安心・安全がベースにあり、サラサラして細かいですね。イタリアの粉は日本に比べて粗挽きです。
山咲 どのようにして、手打ちパスタを作るのですか?
鈴木シェフ 一般的には小麦粉に水と卵などをいれますが、私の場合は、麺にコシを出すために加水量を少なくすることにこだわっているため、水は一切使いません。生卵で練る。それだけです。
山咲 えええ~ッ?それだけで、パスタができるのですか?
鈴木シェフ では、スピルリナ入りの手打ちタリアティーニ(細めの平たいパスタ、タリオリーニともいう)作りを実演してみましょう。この夏の新メニュー「スピルリナを練り込んだタリアティーニ 12品目野菜、鶏ササミ、法蓮草のジェノヴェーゼと共に」です。
山咲 スピルリナは、パスタの混ぜものとしていかがですか?
鈴木シェフ スピルリナは粘りが出るので、粉と生卵の配合がむずかしくなりますが、麺の旨みを引き出すには、とてもいい食材だと思います。1食分の麺(50g)から1日に必要な緑黄色野菜の2分の1の栄養がとれますから、健康にもいいですし、さわやかな緑色が夏のメニューにピッタリですね。では、実演に移りましょう。

いよいよ、スピルリナ入り手打ち生パスタの実演スタート!

厨房へ移動し、鈴木シェフが使用する粉を用意。出来上がり1食分50gに対して、スピルリナ1gの割合で投入する。
鈴木シェフ こうして粉を手でさわってみると、今日の湿度がわかるんです。湿度にあわせて卵の量を調整します。これは料理人の感覚ですね
【STEP1】とき卵を粉にいれ、まずは機械で15分ほどざっくり混ぜる。その後、手で軽く握ってボロボロにならなければ、手でこねる。
鈴木シェフ この時、打ち粉はまったく使用しません。でも、手にベタベタついてきたりしないでしょう? これが配合のマジックなのです。手で打った後は、今度は足です。これがイタリア式の製法なのです。
【STEP2】麺をビニール袋に入れ、トントンと足で踏みならす。打ち終わった麺は、平らにして冷蔵庫で12時間寝かす。

左がひと晩ねかせたもの
鈴木シェフ グルテンがますます働き、粘りとコシが出てきました。ここから、機械でのばしていきます。同じ方向に数回のばし、1回だけ方向を変えます。
【STEP3】機械にかけると、まるで反物のように薄く長く伸びていく。ちぎれたり、切れたりせず、なめらかだ。ここでも打ち粉は使わない。
鈴木シェフ 細長く切れば、麺の出来上がり。あとは、塩を入れたお湯でゆでます。麺に塩はまぜませんが、お湯には塩を入れます。このことにより、パスタの中のグルテンが水の中に溶け出すのを防ぐ効果があり、ツルツルとし、のど越しと越し(コシ)を作ってくれるのです。
【STEP4】塩分濃度1%のたっぷりのお湯で茹で、すばやく氷水で冷やし麺を引き締める。

ほうれん草のジェノベーゼ、野菜などを加えて出来上がり!味見をしてみると……


スピルリナを練り込んだタリアティーニ
12品目野菜、鶏ササミ、法蓮草のジェノヴェーゼと共に

山咲

うわ~~ッ! これは新感覚のパスタですね。コシがあるのに、ツルツルとして弾力があります。おいしいのはもちろん、――お見事! と拍手をしたくなる手打ちパスタ。うどんやそば、ラーメンとはまるで違ったパスタならではの食感と旨み。完成度が高い逸品です! 
こんなに完成度の高いパスタが打てる鈴木シェフですが、今後の目標は何でしょう?

鈴木シェフ 小麦アレルギーの子供達にパスタを楽しんでもらうために、米粉を使用したパスタを作ってみるなど、いろいろな粉に挑戦してみたいですね。
山咲 素晴らしですね。ありがとうございました。

☆スピルリナを練り込んだタリアティーニは、「リビエラ 青山」で開催中の「冷製パスタフェア」のランチとディナーでお召し上がりになれますので、ぜひ皆さん、日本の生パスタの神様のゴッドハンドによる逸品をお試しあれ!(8月26日まで)。



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